ベトナムオフショアでよく出てくる、役職、役割、ポジションの説明
ベトナムと日本で、同じキーワードで役割が微妙に違ったりするものもあり、ちょっと注意が必要なので、ざくっとまとめてみました。
もちろん組織、業種などによっては定義や責任や担当範囲なども変わったりするので、一例として参考程度にどうぞ
PO(Project Owner)
プロジェクトオーナー、受託開発でいうと、一般的にはお金を出して、発注する側のこと
ベトナムのオフショアならここは基本、日本のお客さんです
PO(Product Owner)
プロダクトオーナー、プロジェクトオーナーと同じような意味も指すこともありますが
アジャイル開発の中でこの単語が出る場合は、プロジェクトでプロダクトの方向性などを指示、優先度付けなどをする役割の人を指します、ゲーム開発でいうディレクターの役割に近い
受託開発だと、基本は開発側のそばにいて製品、仕様を把握し、お客さんや関係者と調整しながら、作業内容や優先度の調整などを行う役割の人
PM(Project Manager)
プロジェクトマネージャー、開発の管理、製品の品質、予算とかスケジュールとか含めてプロジェクト全体の決定などを行う責任者、お客さんとの折衝、コミットのコントロール、リスクコントロールなどの責任も普通はここ
ベトナムのオフショアラボだと、通常はPMはお客さん側で用意してプロジェクトを管理する必要があるのですが、そこがいない状態で進めると、トラブルが起こる確率が高まります
ベトナムのオフショア側にいる、ベトナム人PMは、PMと言うよりも基本PMOやPL辺りの役割のほうが近い印象なので、PMがいるからと丸投げして安心してると高確率で事故るので注意
PMO
プロジェクトマネジメントオフィス、プロジェクトに対しての決定権などはないけど、プロジェクト運用のためにコミットする人、本来はプロジェクト外の組織だったりするけど、プロジェクト専任の場合もあります、PMから各種権限を抜いたPMの補佐やサポート役みたいなイメージ
オフショアラボのPMは実質ここかPLの役割が近いかも
PL(Project Leader)
プロジェクトリーダー、PMOと基本同じような感じ、一般的には権限はそんなにないけど現場の責任者として実働するポジションのこと、メンバー管理なども行う
オフショアラボのPMは実質ここかPMOの役割が近いかも
Producer
プロデューサー、プロダクトの責任者、役割的にはほとんどPMと同じ
webやゲーム業界などでは、PMをプロデューサーとディレクターに分解するケースが多い、一般的なシステム開発の受託みたいなプロジェクトではあまり見かけない
Director
ディレクター、プロダクトの品質に関しての責任者、製品をよくするために注力する人、PMから製品部分の責任を切りわけた感じで、技術面も含めての責任者を言うケースが多い、製品面の責任メインであればプロダクトオーナー、技術だけの責任メインだとテクニカルディレクターと言ったりもする
webやゲーム業界などでは、PMをプロデューサーとディレクターに分解するケースが多い、一般的なシステム開発の受託みたいなプロジェクトではあまり見かけない
Planner
プランナー、主に企画をしたり、企画や仕様をまとめたりする人、要件定義したり仕様書を作ったりする
他にもサービス運営などの計画を考える人を指すことも
webやゲーム業界などに多いが、一般的なシステム開発の受託みたいなプロジェクトでは、基本SEが担当するためあまり見かけない
BrSE(Bridge SE)
ブリッジSE、日本人と開発者間に入ってコミュニケーションを担当、技術や仕様を理解しており、日本のビジネス文化(報連相)なども理解した上で、プロジェクトがスムーズに回るように、コミニケーションをサポートする
私の感覚でいうと、日本語能力試験で少なくともN2レベルは欲しい、会社次第でN3でもBrSEをやっているケースはあるが(ひどいとN4でBrSEとかもいるけど・・・)、N3だと正直ベトナム人とのやりとりに、慣れてない場合は日本語、特に会話でコミュニケシーションが多いプロジェクトなどは厳しい印象
テキスト中心であればN3でも何とかなるケースがあるが、日本語での詳細な説明を求めたりすると、理解に時間がかかる文章が帰ってくる可能性が高め
オフショア開発では、BrSEがPMの役割を兼務することも多い、小規模なラボ型開発などで、現地にPMを派遣しない場合は、殆どの場合はBrSEが現地のPMも兼務することになるので、プロジェクトの成否はBrSEのPM能力にかなり依存するすことになり、日本語やコミュニケーション能力以外に、管理能力が必要になってくるので注意が必要
Communicator
コミュニケーター、日本語とベトナム語の翻訳を担当、技術の理解は薄い
私の感覚で、日本語能力試験でN1レベルじゃないと厳しい印象、内容次第ではN2でもできるかなという感じ
TL
テクニカルリーダー、上級の技術者、設計やレビュー、タスクの割り振りなどを担当するプロジェクトの技術に関しての責任者
Systems Engineer(SE)
システムエンジニア、日本だとお客さんとの間で要求定義や要件定義を行い仕様書、設計書などを作る上流工程を担当する人をSEと呼ぶことが多いが、会社によってはただのエンジニアをSEと呼ぶケースもあるので一般的に定義は曖昧(日本だと要件定義~仕様書までしか担当しないケースもあり、プログラムが一切書けないSEなども居る)
ベトナムだと現地の中~上級クラスのエンジニアのことをいうケースが多く、日本と定義が全然違う印象
LPG
リードプログラマー、テクニカルリーダーと同じ
Programmer
プログラマー、いわゆるエンジニア、設計書などに沿ってプログラムをかくだけのコーダーも含む
ベトナムだとPGと略されることも
Engineer
エンジニア、基本的にはプログラマーと同じ
Server Engineer
サーバエンジニア(サーバサイドエンジニア)、webのサーバサイドのプログラミングを担当するエンジニア
Front Engineer
フロントエンジニア(フロントエンドエンジニア)、html、css、javascriptやflashActionscriptなどフロントエンド全般を担当するエンジニアで、広義ではネイティブやUnityなどのクライアントサイドで動く部分を作成するエンジニアも含むが、一般的にはwebのフロントサイドを担当するエンジニアのこと、日本だとjavascriptやflashからUnityにシフトしたケースも多くUnityエンジニアは一通りフロントのスキルを持ってる人が多く、各種ブラウザの知識、SEO、UI/UX周りの技術や知識などもスキルとして求められる
ベトナムだと単純にhtml、css、javascriptのコーディングができるサーバサイドエンジニアのことをフロントエンジニアといったりするので、日本とちょっとスキル範囲などの定義がちょっと違う印象、日本のように専任のフロントエンジニアみたいなスキルを持ったエンジニアはかなり少ない印象
Native Engineer
ネイティブエンジニア、Androidやiosなどのモバイルアプリのエンジニア
Network Engineer
ネットワークエンジニア、webのインフラ周りの設計や構築、運用などを担当するエンジニア、最近だとAWSなどクラウドで構築することも多い
ベトナムだと大抵はエンジニアが兼務で、専任のネットワークエンジニアはほとんどいない印象
ベトナムだとネットワークやインフラエンジニアとかをまとめてITエンジニア
Infra Engineer
インフラエンジニア、日本のweb界隈だとネットワークエンジニアのことを指す場合が多いが、社内インフラやデータセンターなどで働いてるエンジニアのことを指す場合もある
ベトナムだとネットワークやインフラエンジニアとかをまとめてITエンジニア
IT Engineer
アイティーエンジニア、社内のシステムなどの管理や構築などを行うエンジニア、日本だと社内SEとかとも言われたりする
ベトナムだとネットワークやインフラエンジニアとかをまとめてITエンジニア
Fullstack Engineer
フルスタックエンジニア、日本だと要件定義~設計、フロントエンド、サーバサイド、インフラ、など、プロジェクトの開発タスク全てにコミットできるエンジニアや、企画から開発まで行うようなエンジニアのことをいうことが多いが
ベトナムだとサーバサイドとフロントエンドのコーディングができるプログラマーのことなので定義が少し違う印象
Coder
コーダー、一般的にはwebコーダーの事、htmlコーダーやマークアップエンジニアなどとも言われる、htmlやCSSのマークアップ、簡単なJavascriptなどを扱うエンジニア、日本だと仕様書や設計書通りにただプログラムを書くだけのエンジニアをコーダーというケースもあるが、ベトナムだとこれもエンジニアでコーダーという概念はなさそう
Debugger
デバッガー、テスト計画や設計などに沿ってテストを実行、バグを探す人、ベトナムでいうテスターはだいたいデバッガーのこと、日本だとエンジニアが普通担当するので、デバッガーはかなり複雑だったり、大きい製品だったりしない限りは一般的には存在しない
Tester
テスター、デバッガーのことをテスターというケースもあるけど、一般的にはテスト設計や計画などを作ったり実行したりする人、QAと呼ばれるケースも、ベトナムだと計画を作ったりする人は上級のテスターで、テストリーダーとか言われるので、用語に関しての定義が日本とベトナムで少し異なりそう
QA
キューエー、主に品質のチェックをする、バグなどのチェックもするが、表現がおかしくないか?誤解が生まれないか?使いやすいか?解りやすいか?などの体感などの品質面も含めて、製品全体のチェックをする、ベトナムだとこの概念はないかも?(ベトナムだとQAはプロジェクトの品質管理側を指すケースが多そう)