ベトナムのハノイからアレやコレ

ベトナムに移住してもう6年、この環境が日常となってしまい忘れてしまった事も多々あるけれど、なるべく気づいた事とかをブログに書いていきます

ベトナムのオフショアと、ベトナム人の仕事の文化と転職と

ベトナムでは日本と違い、ジョブホッピングが当たり前の文化があります。

一つの会社で長く務めるのが素晴らしい、という価値観は基本ありません。

 

例えば、年次有給休暇を例にあげると

日本だと6ヶ月で10日、そこから1年で1日増え11日、2年で1日増え12日、以降は1年ごとに2日ずつ、年次有給休暇20日まで増えるように、あきらかに長期所属に価値があるような休暇の付与設計となっていますね

一般的にも長く会社に努めるのは良いこと、みたいな意識がありますよね。

 

対して、ベトナムでは、1年で12日付与ですが、1年未満でも1ヶ月1日ずつ按分して付与されます、その後は5年間隔で1日ずつ増えるという感じで

1ヶ月でも務めると有給休暇が発生しますし、その後は5年単位で1日しか増えないので

有給休暇的に、長期所属する価値はほぼない設計になっています。

正直、5年以上同じ会社に努める人はかなり稀で、10年となると激レアなレベルです。

 

 

日本でも、1社に長く勤めて査定を待つよりも、人手が足りない自分のスキルを求める会社へ転職をした方が

例えば100万単位で年収があがったりするような、通常の給与査定では難しいレベルで給与の上がり幅があったりする傾向はあると思うのですが、

特にベトナム発展途上国で社会が大きく発展中で、スタートアップなどの外資が多く参入してきている状況のため、投資をする会社も多く、給与水準がすごい勢いであがってます。

ヘッドハンティングのスタッフがいる会社も珍しくなく、いろんな経験をしている人ほど選択肢や需要が広がり、引く手数多の奪い合いとなり、大きく給与があがる、という人材マーケットになっています。

まさにこの状況では、下手に1社に長く努めると損をするという状況ですね。

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そういった下地があるので、会社だけではなく

プロジェクトに長期で所属することも基本的には嫌がります。

オフショアで新規開発ではなく、運用的な業務の場合は、特に顕著です。

大抵は同じような作業、仕事の繰り返しになっていくため

仕事に慣れたタイミング(半年~1年程度)で、もう得るものがないと判断し、得るものがないマンネリになったので移動したい、とチームの移動希望、もしくは転職の話が出てきます。

 

特に、オフショア開発などでは海外から、いろんな技術やアイデアの開発案件がどんどんと入ってきている中で、一つのプロジェクトに長く入るメリットはかなり薄くなってしまいます。

一つのプロジェクトで一つの技術だけをやるよりも、2つ、3つといろんなプロジェクトを経験した方が、転職時の評価が高くなります。

プロジェクトの中で、技術的な変化や、何かしら長く運用することで得られるメリットなどを与えられるプロジェクトなら良いのですが、一般的にはそういうプロジェクトはほとんどなく、長く運用しているとどんどんと人が抜けてしまいます。

 

日本人の場合、作業や環境にマンネリ化を感じてもその先を見据えて、23年ぐらいなら我慢が効くとおもいますが、ベトナム人3ヶ月程度が限界です。

半年や1年先の話などをしたところで基本的に響きません、今が大事です。

日本人の感覚でいうと、かなり目先の感覚に直感的に反応、行動しているようにみえます。

でもそれが当たり前の社会であり、そういう文化なので、良い悪いで判断できることでもなく、そういうものだと理解するしかないです。

また誤解なきようにいうと、マンネリを感じたとベトナム人は伝えてきますが、これは仕事がつまらないというわけではなく、これ以上技術が取得できない状態である、という意味です。

そのため、技術的に新しいことがない限りは、役割を変えたりしたところで基本は解決しません。

 

日本人の感覚だと、せっかく育てたのに!!とかマンネリでチーム抜けるなんてとんでもない!とか、感じてしまいますし

人が定着しないようにみえ、そこに不安に感じるかもしれませんが、ベトナムだとごく当たり前のことなので

人が抜けないことにコストや労力をかけたり、人が抜けることを否定するよりも

人が入れ替わっても運用できるような環境を作っていく方にコストをかける方が建設的で、成功につながりやすいと思います。

 

このチームを移動したいという状態になった場合に、クライアントに相談せず、無理やりコミットを継続させたりするなど、環境があまり良くないオフショアの会社もそれなりに多いと思います。

その場合は、チーム移動ではなく、ほぼ転職になるので

人があまり辞めておらず、チーム移動の提案がある会社は、かなり良い管理ができている会社ではないかと思います。

そういった面でオフショア会社を評価してみるのも良いかもしれませんね。

 

オフショアを長期で利用する場合

チームメンバーが急に転職で抜けてバタバタしないように

メンバーのローテーション、入れ替えなども最初から考慮して運用すると

プロジェクトが成功する確率も上がっていくと思います。

 

仕事を発注する側の意識も大切になってくるのがオフショア開発です。

仕事を受ける側だけに押し付けて丸投げしているようでは、オフショア開発はまず成功しないです。

 

相手が一方的に悪い、出来ない、駄目だと思っていると

その先にある大きな成功を見落としているかもしれません

自分から改善していくという行動ができないと

海外オフショアではまず成功しないと思います。