ベトナムのハノイからアレやコレ

ベトナムに移住してもう6年、この環境が日常となってしまい忘れてしまった事も多々あるけれど、なるべく気づいた事とかをブログに書いていきます

ブリッジSE(BrSE)とコミュニケーター(Comter)の違い、優秀な人の身分け方

ベトナム(海外)の日本向けのオフショア開発では

ブリッジSE(BrSE)やコミュニケーター(ComterCommunicator)という日本の開発では馴染みのない、ポジションがあります

どちらのポジションも基本は日本語とベトナム語のコミュニケーションの間に入りますが、役割が少し違ってきます

ざっくり簡単にいうと

ブリッジSEは技術者やPM、コミュニケーターは通訳というイメージをするとわかりやすいかも知れません

 

基本的にどちらの職種も、日本語能力の目安となる、日本語能力試験の資格保持者がほとんどで

日本語能力に関して言うと、ある程度この資格を見ることで能力が図れます

www.jlpt.jp

基本的に、直接日本語でやり取りするような業務ではN2以上は必須の印象です。

 

ブリッジSEとコミュニケーターについて、

もう少し掘り下げて説明してみようと思います

ベトナムのオフショア開発の中で一般的にそういう傾向があるという話なので

もちろん個人差や会社でも少し変わってくると思います、参考程度にしてください

 

ブリッジSEとコミュニケータってどう違うのか?

もちろん会社や個人のスキル次第で違いはあるという前提です

 

ブリッジSE(BrSE)

ブリッジSEは、日本語やお互いの国のビジネスルール、技術を理解し

クライアントと、オフショア開発チームのブリッジ役となる人材です

タスクや進捗管理などベトナム側の開発チームの管理なども行います

会社に寄って基準がまちまちで、ただ日本語が読み書きできるだけのN3レベルのエンジニアがブリッジSEというケースもあれば

日本留学や日本で就業経験があるN1レベルのブリッジSEも居ます

ボリュームゾーンでいうとN2取得者が多くこのレベルが目安で、N1レベルは数は少ない印象

 

ちなにに経験上、BrSEとして優秀だと思う順序は経歴などを見るとある程度の傾向があります

・日本にあるオフショア以外の日系企業2年以上所属し、働いている

・日本にあるオフショア系企業で2年以上所属し、働いている

・日本に2年以上の出向や出張の経験がある

という順序で優秀な印象があります、とにかく日本の企業で実際の業務を経験し日本の企業の文化を知っている人ほど

報連相がしっかりしておりコミュニケーションが取りやすく、業務の取り組み方などが日本人が望む動き方に近く

残業などの意識、責任などしっかりしており、BrSEとして優秀だと思うケースが多いです

とくに日本で就業中などにN1を取得しているようなBrSEは、日本での過酷な業務環境(日本のITだと残業当たり前な状況なので・・・)の中でも自主的に勉強をしているということもあり、かなり優秀な印象です

 

他にも順序は少しつけづらいのですが、日本文化を知っているという点と、頭がよく優秀という点では

・日本の大学に2年以上の留学経験がある

という経験の人もスキルやコミュニケーション的に優秀な人は多い印象です

ただし、日本企業で勤務していないため、残業などへの認識などは日本人と違う印象があり

また留学を経験しているからか、環境を変更するということにあまり壁がなく転職なども多い印象があります

 

逆に、経験上、BrSEとして微妙だなーと思う順序は

・日本への留学経験などがない新卒

ベトナム人が経営する大手オフショア開発企業の就業経験のみで、4年以上働いている

・転職を何度も繰り返し、同じ企業に2年以上いない

新卒だとそもそも日本企業の文化を理解していない上に、マネージメントなどの経験も無いため、デメリットが強いです

小~中規模なプロジェクトだと、コスト的にBrSEPMの業務を兼務することが多いのですが、ベトナム社会主義国家で、年功序列の意識がかなり強く残る国なので、年齢が低いマネージャーというのはうまく機能しないケースがあります

そのためチームが経験よりも勢いや成長などを重視する、若いメンバーで構成したチームならあまり問題はないのですが

経験を重視するようなチームの場合に、BrSEがメンバーに指示できないという問題が発生したりします、そのため新卒や経験が浅い若いBrSEはチームメンバーを考慮する必要があり使い所が難しいです

 

ベトナムのオフショア企業で下手に長く働いている場合は、ベトナム式の管理や業務進行が身についてしまってるケースが多く

例えばエンジニアがテストしない、などのベトナムでの悪い文化を当たり前と認識していたり、それはベトナム人にはできないという諦めが早かったり、リスク管理などに気を使いすぎていろいろ遅くなる割にリスク回避できていない、など考え方や取り組み方など、いろんな面で問題になるケースが多々出てきてしまいます、BrSEに限らず、PMや部長職などでも、ベトナム系企業の業務経験が長いマネージャは、経験上あまりオススメできないです

 

転職はジョブホッピングの文化があるといえば聞こえは良いですが、実際ベトナムで見てる限りの率直な感想をいうと

転職を繰り返す人は、実際の将来性や自分の成長などよりも、目先の給料や手当、ボーナスなどに貪欲で、それ目当てで転職を繰り返してる人が多い印象です

勿論、日本に行くという目的があったり、起業するなどの目的で転職をする人もそれなりにいますが、そういう人は経歴を見ればわかりますし、転々と転職するのとは別です

ちゃんとやりたいことがあり、成長したいと思っている人ほど、自分で色々と提案などもおこない、そういう人は自社でも他社でも定着している印象はあります

経験上転職を繰り返して入社してきた人は、かなり高確率で定着する事なく自分が得るものを得たと思ったタイミング(つまり1年ちょっと経過したぐらい)で同じ様に転職していきます

一方である程度長く努めている経験がある人は、本人の望む成長などと業務内容やチームのマッチングがうまくできている場合、ある程度定着する印象があります

 

コミュニケーター

コミュニケーターは、ビジネスレベルの日本語を理解し、通訳や翻訳を行う人材です

基本的には、仕様書や指示書、レポートなどの書類の翻訳、質問や指示、会議などでの相互のコミュニケーションの通訳や翻訳などを行います

プログラムや設計などの技術面や、タスク管理やマネージメントなどに関してのスキルはほとんど期待できません。

基本的に役割としては通訳と考えて問題ないです。

 

日本語はほぼN2以上で、N1取得者も多くBrSEと比べ日本語能力が高めです。

BrSEよりも日本語能力が高いというのもありますが、基本は通訳など直接コミュニケーションをとることが多くそういう基準で採用などもされるため、BrSEと比較するとコミュニケーション能力が総じて高めです。

 

役割的に、コミュニケーションや翻訳が多い、プロジェクト初期などにスポットで参加するケースなども多いですが、BrSEがいないチームでエンジニアやPMと組んでチームに常時コミットするケースなどもあります。

BrSEがいる場合でも、仕様書などのドキュメントがあまりないプロジェクトや、アジャイル開発なプロジェクトなどではどうしてもコミュニケーションが多くなるため、BrSEとは別にプロジェクトに参加するケースもあります。

またコミュニケーターは女性が多く、ベトナムでは女性は25歳ぐらいまでには大体結婚し家庭をもち、家事や育児を女性がするという文化面もあり、基本的に残業などが行えない人がほとんどのため、チーム体制やプロジェクトによって向き不向きはでるので注意が必要です。